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2~3時間待ちになることも珍しくない「コナズ珈琲」。「丸亀製麺」に次ぐトリドールの柱になるかもしれない(筆者撮影)
■「コナズ珈琲」が絶好調 丸亀製麺などの運営で知られるトリドールホールディングスが手がけるカフェ「コナズ珈琲」が好調だ。「ハワイアン」をテーマにしたカフェで、パンケーキやロコモコなどの商品がウリである。 【画像19枚】「いちごたっぷりのパンケーキ」「産地にこだわった絶品コーヒー」…コナズ珈琲のメニューはこんな感じ 2025年3月期第3四半期の決算を見ると、売り上げは前年同期比で20億2000万円増。 営業利益も4億2400万円増となり、業態として増収増益を達成している。トリドールは丸亀製麺以外にも、国内で様々な外食チェーンを運営しているが、その中でもずば抜けて収益がいいのだ。
さらに、2024年12月のトリドールグループ国内店舗売上ランキング上位20店舗のうち、半数を占める10店舗がコナズ珈琲店であり、その収益性の高さが顕著である。同店は、丸亀製麺に次ぐトリドールの柱になるかもしれない。 いったい、コナズ珈琲の何がそこまで人を惹きつけるのか。そして、今後の事業拡大のポテンシャルはあるのか。現地を訪れて考えた。 ■平日なのに、24組待ち! さっそく私は、近所にあるコナズ珈琲店に足を運ぶことにした。
ザ・住宅街な風景を横目に歩いていくと、突然Y字路にオシャレな店が。 店の周りには南国チックな植物が植えられ、店舗自体もカラフルで遊園地みたい。 植栽の中を歩いていくと、やけに店舗の外に人がたくさんいる。暖かい日だったから、テラス席でカフェを楽しんでいるのか? と思いきや、そうではなかった。なんと、全員待っているお客さんだった。店内で受付をすると、なんと24組待ち。店の外まで人がいっぱいなはずだ。
店員さんに「どれぐらい待ちますかね?」と戦々恐々聞くと、「当店、時間制限がございませんのでなんとも言えないのですが、だいたい1時間半ぐらいかと……」とめちゃくちゃ申し訳なさそうに言われた。なんと、時間制限がないのだ。 仕方ない。1時間半待つことにした。とはいえ、その時間ずっと店内で待つ必要はない。LINEと連携した待ち時間システムを取り入れているので、外で待つことも可能である。 結局私は待ち時間を近くにあったマクドナルドで過ごした。これから喫茶店に行くのに……。
■「場所」として優れているコナズ珈琲 ほぼ1時間半後。ようやく私の順番が来た。店内に案内される。こうなると「わざわざ感」が出て、店にありがたみが出る。 「ハワイアン」をテーマにした店内にはハワイの雑貨やサーフボードが置かれ、まるでハワイ好きの人が経営する個人経営の喫茶店のようだ。この内装のこだわりも魅力の一つだろう。 客席をみると、ほぼ9割以上が女性。しかも2名以上のグループ利用が多い。ひとり、しかも男性1人客はまったくおらず、若干の場違い感。
案内された席はゆったり座れる本格的ないすである。他の席もいすにはこだわっているようで「ゆったりしてくださいね」感を感じる。 コナズ珈琲の名物はなんといっても「パンケーキ」。ハワイ名物だが、ここのウリはその見た目のインパクトにある。それが、こちら。 人生ではじめて見る生クリームの量である。こちらはストロベリー&バナナホイップパンケーキ。コナズ珈琲の全メニューの中で販売数No.1だという。SNS映えをする見た目で、Instagramなどとの相性が抜群なのも人気の理由だろう。
これにコーヒーも注文して、いただく。 パンケーキはふわふわで、生クリームの甘さといちごの酸っぱさがマッチする。 ちなみに、パンケーキはお値段税込1749円。チェーンカフェだと考えると、かなり攻めた価格設定だ。コーヒーを合わせると優に2000円を超える。 ■2000円超えでも、長時間ゆったり過ごせる ただ、周りを見るとほとんどが女性グループで、話に花を咲かせている。それもそのはずで、先ほども書いた通り、滞在時間に制限がないからだ。
赤ちゃん連れも目立つし、ママ友が集まって長い時間話すのにはちょうどいいのだろう。そうなれば、ある程度商品の単価が高くても頼むだろうし、グループだったらパンケーキをシェアして食べることもできる。 その意味では、商品としての価値もさることながらコナズ珈琲には「場所」としての価値もあり、それも踏まえての値段設定なのだろう、と思った。 ■飽和するカフェ市場のなか、「ハワイアン」で勝負に トリドールがカフェ事業に参入するのは、業界として見れば不思議な話かもしれない。というのも、実は日本国内の喫茶店市場はここ20年ほど、ほぼ横ばいの状態が続いているからだ。1999年度が1.2兆円で2008年度が1.04兆円、そしてコロナ禍が明けた2023年度が1.18兆円と、だいたい1兆円あたりをうろついている状況である。
一方、データによれば1981年以降、喫茶店全体の数は減少を続けている。おそらく小規模な個人経営店が減り、それよりも広めの商圏を持つチェーンカフェが台頭してきている、というのが現状だ。いずれにしても横ばいの市場規模の中で顧客を食い合っている状態だ。 一般的な話だが、市場が飽和したときには新しい顧客を作るために新しい商品や趣向を持った店舗を作る必要がある。 実際、大手のコーヒーチェーンでもスターバックスがティーや抹茶を中心にした業態を少しずつ増やしたり、コメダが「おかげ庵」という和風喫茶を増やしたりして、少しずつ従来の「コーヒーチェーン」ではないカフェが生まれつつある。
そんな中、後発のコナズ珈琲が目を付けたのは「ハワイアン」という価値だった。 トリドールホールディングスの創業者・代表取締役社長である粟田貴也氏は、丸亀製麺の出店視察のためにハワイへ訪れたとき、現地のコーヒーショップに感銘を受けたという。 その感動を日本でも、ということでのハワイアンカフェの出店だったが、それが既存のコーヒーチェーンとは一線を画するカフェの展開を進めることになった。 ■コナズ珈琲が狙うのは「女子会」需要か?
とはいえ、そのように新しいカフェのスタイルを見つけても、それに対応する需要がなければ店は成り立たない。 もちろん、昔から「ハワイ好き」は日本で多いが、それだけで全国チェーンになるほどの数もいるわけではない。では、コナズ珈琲の躍進を支えるのはどのような需要なのか。 その一つが「女子会」需要だと、店舗を訪れて感じた。 というより、店舗空間の作り方やメニュー、コンセプト、出店立地などすべてが「女子会(とくにママ友会)」に「選択と集中」されているように感じたのだ。
先ほども述べた通り、店内には特に女性グループが多く、話に花を咲かせている人が多い。テーブルもいすも広いし、何より滞在時間は無制限である。 それに、店内にはハワイアン・ミュージックがかかっているのだが、この音量が他の飲食店よりも少し大きい。だから、声のボリュームがある程度大きくても気にならない(あえて不便な場所にばかり出店している…売り上げが急増するハワイアンカフェ「コナズ珈琲」の逆張り戦略)。いい意味での「ガヤガヤ感」があって、女子会にもばっちりなのだ。